「愛媛県 西宇和郡 伊方町 九町」について

九町（くちょう）は、愛媛県西宇和郡伊方町の字。郵便番号は796-0421。佐田岬半島中央部に位置する。

歴史

1889年（明治22年）から現在の大字名・字名。町見村役場が置かれた。はじめ町見村の大字で、1955年（昭和30年）からは伊方町の現行字名。1889年（明治22年）、九町巡査屯所、1903年（明治36年）、九町漁業組合と九町郵便局がそれぞれ設置された。伊方町の成立により旧村役場は、伊方町役場町見支所となる。

行政

伊方町役場 町見出張所

産業

店・企業／伊方サービス／伊方石油 九町店／井上建設／菊池味噌製造所／三愛テック 伊方事業所／四国電力 伊方発電所 - 1977年、九町越地区にて1号炉が運転を開始した。
東洋バルブ製造所／得能工業／得能商店（食料品、雑貨）／浪下建設／浪下重工／西日本塗装工業伊方営業所／日翔工業／二宮たたみ店／根来鮮魚店／町見郵便局（日本郵政グループ）／道の駅伊方きらら館／三菱電機 伊方定検作業所／渡辺喜商店（食料品、日用雑貨）／山九 伊方事業所／農業・商工業／大澤辰三郎 - 1885年出生。村会議員、収入役などをつとめた。
林石松（農業菓子製造業）／渡邊松左衛門（酒造業、村会議員）／得能長三郎／中嶋久太郎／ホテル・旅館／潮屋旅館／橘旅館／旅館井倉／民宿 渡辺／ビジネスハウス トシ

相談

山口司法書士事務所

教育

九町小学校

施設

宗教／敷地神社／得能神社／九町八幡神社／寄木神社／三宝寺／天徳寺（臨済宗妙心寺派）

医療

医師／井田與市（井田医院）／亀井兼弘（医師） - 1865年出生。宇和島市大字元結掛、士族の父・榮弘の長男。

旧家

得能彌三郎 - 1896年戸主となる。庄蔵の二男。初代半兵衛は延宝4年に没した。村会議員、寺総代などをつとめた／得能長三郎 - 1876年出生。得能長三郎家は得能彌三郎の祖先を本家とし、その分家。家は農を専業とする。寺総代をつとめた。
中嶋久太郎 - 1892年出生。先代宇平の長男で、11代目。村会議員をつとめた。

名所・旧跡

鷹神氏種族累代古墳墓 - 藤井克修「所謂少数部落の先祖に就て」によると「向部落に居る人々は須賀のスキザキに現存する墓碑「鷹神氏種族累代古墳墓」と読まれるその鷹神氏を自らの先祖と信じている。鷹神氏の直系の子孫と称するは今、「浪下氏」を称して他の部落の人は向に移って居るが、ただ一戸須賀のスキザキに住して墓標を守っている。墓標には「鷹神氏種族累代古墳墓」の他に一面には鷹神氏の由来を示している。それによると鷹神氏は京都の北面の隠士である事、この地に漂着した事、この地を永住の地と定めた事は分かっているが、それが何時の時代の事かは明らかにされていない。この墓標の文の終わりに文とは何らの関係なしに、だしぬけに「これ我等の先祖なり浪下吉蔵建」と記されてあるが、これでは一つも鷹神氏と浪下の関係は明らかにされていない。しかし浪下は、この墓標を証拠として以て我等の先祖なることを主張している。」という。
得能主膳ゆかりの地（町指定史跡） - 1966年3月26日指定。指定戦国期の九町・二見浦の在地領主得能主膳伝説の地。主膳を祀る得能森、所持品が埋まる沖の城、墓とされる梵田の3ヶ所。

参考文献

『愛媛県人物名鑑 第3輯』海南新聞社、1923-1924年。
角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典 38 愛媛県』角川書店、1981年。
高市光男『続・愛媛部落史資料』近代史文庫大阪研究会、1983年。